創業のきっかけ

 平成20年に父が他界しまして、さぬき市の1ヘクタール弱の森林を相続することになりました。森林は私の祖父の時代から60年以上足を踏み入れたこともなく、荒れ放題になっていました。父も頭を痛めておりましたが、それを僕がバトンタッチをしたわけです。

 

 かといって、そのまま放置しておくわけにはいかず、せっかく相続したのだからなにか有効活用できないかとかんがえていたのですが、経験も知識もなく途方にくれておりました。

 

 なにもしないわけにもいかず、ノコギリをホームセンターで買ってきて、週末に一つひとつ枝を切ることからはじめたのです。

 

 そんなときある知り合いの方から、四国にもストーブユーザが意外や多数いるとうことを聞き、ユーザーの皆様は薪の情報を探していおり、見つからない時は「お金を払って買っている」ということを知りました。そこの方々に、「木がありますので、どうぞ。」と申し上げました。

 

 口コミになったのかどうかしりませんが、毎週のように薪を切る方がわざわざ僕の所有する森林までいらっしゃり、また大工仕事が好きな僕の兄も、喜んでチェンソーや斧を買って、薪の切りだしや搬出を毎週のようにやってくれ、1年間で驚くような間伐の成果を得ることができたのです。

 

 これは想定外でした。

 

 ユーザさんの立場からすると、お金を出して買ったり、頭を下げてもらいにいってる薪が、私のところだと「格安または無料でもらえる上に、お礼まで言われる。」とのことです・・・

 

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 高松市内の薪ストーブ専門店の店長さんに聞くと、今エコブームもあって、年間200台もの薪ストーブが四国で売れているそうです。薪を1台あたり年間2トンくらいの消費するのですが、年間400トンの計算になりますね。これが累積で詰みあがっていきます。店長によると薪の安定的な流通さえあればストーブがもっと飛躍的に売れるのですが・・・とのことです。ストーブを焚いたことのない私でも素直に「そうかな」と思いました。

 

 一方、域内の林業は従事者の高齢化により担い手がおらず採算にものるわけもなく、間伐のめども全くたっていません。産業としては壊滅状態。人の手が入らないため森が痩せて、水害の原因、過疎化や農業の衰退とも相関しています。

 

 間伐材を利用した家具製作など付加価値を生む商品化も検討はしているようですが、量販店で販売している外材を使った廉価でデザイン性の高い家具に、コストも品質も太刀打ちが難しいのが現状のようです。

 

 このように、森林の荒廃し、里山が廃れる理由は詰まる話、「採算ベースのらない」ということが根本的な原因です。

 

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そこで・・・

 1.薪ストーブの普及を今以上にはかり、ユーザーを増やし

 2.消費者(ストーブユーザ)を組織化して

 3.流通やデリバリー体制を整え

 4.県内林の間伐にあたり

 5.域内の雇用を創造し、資金循環を作れば

 

 森林の保全は当然のこと。環境やエコ、の改善など、さまざまな社会的な課題が解決するのではないか思いついたことがきっかけです。

 

 ただし、当初は自分一人の頭の中で描いただけで、まさに「砂漠の中に水を蒔くような構想」いや「妄想」にも思えました。

 

 高いハードルもあるのでしょうが高ければ高いほどやりがいもある。まずはできるところからはじめてみよう!とスタートしたのが 「三宅ヴィレッジガーデニング|三宅薪店」 です。

 

 至らぬところ多々ありますが、皆様何卒よろしくお願い致します。

 

平成26年4月

店主 三宅達治